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純粋 [詩]

純粋      高平 九

後悔していた。どうして会おうなどと思ったのだろう。モノレールのドアに凭れて
君の無垢な葉書を出し、寝呆け目で流し読む。「ごめんね」で始まり「ごめんなさ
い」で終わる文章。昔と同じ丸文字は故郷と同じように優しく、煩わしい。モノレ
ールは濁った川を渡り空港に着いた。改札口で時計を見上げると、約束の時刻
を2時間も過ぎている。もういやしない。それさえ確かめればいい。そう思ってコ
ンコースに出ると、そこは紺色の制服だらけだった。修学旅行の団体が何組も
場所を塞いでいる。その中にふと白いものが見えた。紺色の波にもまれながら、
約束の場所を必死に守って強張っていた顔が、こちらに気付いて弛む。君は白
い手袋を控えめに振った。色白の君は遠目にも昔のままだ。手袋は顔の横で
振られ、そして跳び上がる君の頭の上で振られた。修学旅行生たちが一斉に
こちらを見て笑う。めちゃくちゃ恥ずかしかった。でも、今日一日を最高の思い出
にしようと、決めた。


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